採用ブランディングのススメ:番外編:迷ったら採る?採らない?その違和感、どうしますか

本気の採用を提案するヒトコンサルティングです。

採用に正解はありません。採用時、企業は「本当にこの人でいいのかな?」応募者は「本当にこの会社で大丈夫なのかな?」と心のどこかで疑問を持つものです。逆に働く前から確信を持って「この人/この会社で大丈夫!」と思う方が不自然な話です。

「採用は賭けみたいなものだ」とまでは言いませんが、採用前にわかることははっきり言ってその人のごく一部。では、企業は採用を決める上で何を拠り所にすれば良いのでしょうか。それは履歴書や職務経歴書でしょうか。それとももっと感覚的なものでしょうか。

今回は採用を決めるにあたって、採用担当者が応募者に抱く感情面にフォーカスしてお話したいと思います。

 

面接で違和感。個人的な感覚は排除する?

採用プロセスの最終段階で面接となります。採用担当者は応募者にあれこれ質問し、数十分を共にするわけです。その時に、決定的な問題があるわけではないけれど、応募者に対して何ら言葉にならない“違和感”を抱くことはありませんか?その違和感とは能力やスキルに関するものではなく、もっと感覚的な「この人、何か違うんだよな…」という自分でも説明のつかないものかもしれません。平たく言うと、合う/合わないといったところでしょうか。

これがプライベートだったら、違和感を抱いた相手とは関わらないという選択になるでしょう。しかし、採用シーンはプライベートではありません。中小企業は必要に駆られて採用活動を行っているわけで、願わくば一刻も早く人を採りたいのです。そんな時は、かなりの確率で採用担当者に正常性バイアスが働いています。「何かひっかかるけど気のせいか。大丈夫だろう」と、違和感を「ないこと」にしようとしてしまうのです。しかし、果たしてそれでいいのでしょうか?

抱いた違和感は無視すべきではありません。この感覚こそ、きちんと向き合うべきところなのです。

過去の採用例を思い出してみよう。その採用は成功した?

今までの採用を振り返ってみましょう。今まで迎えた社員の中で、採用時に違和感を抱いた人はいますか?いたとしたら、その社員はその後どうなりましたか?

一概には言えませんが、採用活動を行ったことのある中小企業の複数の社長の話では「逆はない」と答える方が多いように思われます。どういうことかと言うと「違和感を抱きつつ採用したけれど、それは杞憂で実は素晴らしい人材だった!」ということは、ない、ということです。つまり、違和感を抱いた人に対しては「ああ、やっぱりあの時の違和感はこういうことだったんだ」とネガティブな結果になるということです。人間にも野生の勘というものがあり、身(=会社)を守るためにその勘が働いたのかもしれませんね。

 

経験的にわかることもある。感覚は立派な根拠である

それでもやはり感覚で落とすのには抵抗がある、と感じている社長や採用担当者はいらっしゃるでしょう。そんなことで落とされては応募者もたまったものではないと良心が咎めるのかもしれません。

しかし、感覚は立派な根拠になり得ます。

社長や採用担当者は決して素人ではありません。先ほども述べたように、違和感を抱いたにも関わらす採用を決めてしまった人がその後どういう結果になったのかは痛いほど知っているはずです。つまり、経験と統計に基づいて「違和感を抱いた人はNG」としても良いはずなのです。

しかし、人は意外と学習しないもので(あるいは痛みは忘れてしまうのもので)、今度は大丈夫だろうと希望的観測に基づいて採用してしまう…。この違和感は前回の違和感と違うからなどと、違和感の分類まで自分の中で起ってしまうのです。願わくば採りたいという気持ちもわかりますが焦りは禁物です。その違和感は、後々可視化されてきますから。

 

費用対効果は考えるな!ブレない判断基準を持とう!

 違和感を抱いていても「それでもやはり採ってしまおう」と心が動く裏には、もしかしたら「採用コストをかけているのだから、採らないと採算が合わない」という感情も少しはあるかと思います。稀にそれでうまく行く場合もありますが、お勧めはできません。少しでもひっかかりがあるのだったら安易に結論を急いではいけないのです。

誤解のないように言っておきますが、違和感を抱いたからといって必ずしもNGにしなくても良いのです。そこには企業の考え方があり、社長の方針もあるので「違和感OK」とするところもあるでしょう。大切なのは、違和感を抱いたという事実とキチンと向かい合い、その先どのような対応をとるか明確な基準を持つことです。

違和感を抱きつつ採用した場合でも、その後のマネジメント次第では何ら問題なく企業に馴染んでいくこともあります。もし離職することになったとしたら原因を探り、その失敗を次の採用に生かさなくてはなりません。違和感を抱いたその先の企業としての行動指針を決めておくことが大事なのです。

採用活動で迷うことは時間の無駄です。違和感に対してどう対応するか、GOとするかNGとするかの判断基準少なくとも持つべきではないでしょうか。

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