スカウトメールの返信率を高めるための対策として、
《自社に合った採用ターゲットを決める》
《その採用ターゲットが魅力を感じるスカウトメールの件名・本文を作成〜配信する》
2つのポイントが大切です、という記事もありますが、その対策をそのまま実行することで本当に反応率は改善するのでしょうか?
答えは、《No》です。
スカウトメールの返信率をアップするために越えるべき3つの壁
スカウトメールで返信をもらうためには…
メールを開封してもらう→内容を読んでもらう→応募フォームを埋めて応募をする、
という3つの壁を越えて、メール受信者が行動を全て実行しなければいけません。
言い換えれば、いくらターゲットにとって魅力的な件名と本文が書かれたメールを送信しても、読んでもらえなければ全く意味がありません。
よって、スカウトメールには3つの行動を促せる内容も同時に入れること=返信率を改善できるということができます。
実際に弊社が作成〜配信までを担当したスカウトメールは、平均の開封率よりも10%以上高く、返信率(=応募率)も1.5%以上高くなったという実績もあります。
なぜ3つの壁なのか?
スカウトメールの返信率を高めるためには…
(1)メールを開封してもらう
(2)メールの内容を読んでもらう
(3)応募フォームを埋めて応募してもらう
3つの壁を超える必要があります。
3つの壁について、『言いたいことはわかるが、信用できる理論なの?』と疑問を持たれるかもしれません。
実は3つの壁についてはオリジナルの理論ではなく、コピーライティング(=言葉で読み手の行動を変える技術)で長い間使われている有名な理論をスカウトメール用に言い換えているものです。
例えば、世界的にマーケッターで有名なダン・ケネディは書籍の中で、
送った手紙のほとんどが、郵便システムの破壊行為を免れて相手にちゃんと届いた、と楽観的に想定しよう。では、次は何か。
たいていの人は開封もせずに郵便物を捨てることがある。開けて中を見てもらえるかどうかは、受け取った人の選別をかいくぐり、ゴミ箱行きを免れて注目や関心を引く、ほんの一瞬にかかっている。勘違いしている人がいるといけないので、念のために言っておくが、セールスレターが来ないかなあ、なんて思ったり祈ったりして、じっと待っているような人間はこの世にいない。届くとたいていの人は嫌がる。喜んで受け取ってもらうには、重要で、知る価値があって、ためになると思ってもらえることを、受取人にすぐ伝えればいい。
返事をするときには面倒くさいものである。相手はたいてい忙しく、他のことで頭がいっぱいだ。「とりあえず」保留しようと思い、「明日」返事しようと思って手紙をわきに置く。
セールスレターの役目は、読んだ人に今すぐ返事を出してもらうことである。
出典:ダン・S・ケネディ(2007)『究極のセールスレター』東洋経済新報社
と『開封してもらうこと』、『読んでもらうこと』、『行動をしてもらうこと』、3つの重要性について言及をしています。
よって、スカウトメールを受け取った方に『応募する』という行動を相手に取ってもらうには3つの壁を超える必要があります。
1つ目の壁の超え方はこうだ!
最初に超える壁は、『メールを開封してもらう』です。
冒頭で紹介をしたとおり、3つの壁を突破できるように弊社で作成をしたスカウトメールは開封率が13%以上高くなった数値が出ています。
例えば、エン転職のメール開封率は約30%と言われていますが、弊社が担当したスカウトメールの開封率は…
→既読率(=開封率):35.7%
→既読率(=開封率):43.2%
では、1つ目の壁を超えるには何をすべきか?
それは…
採用ターゲットが抱える不満を解消できる/欲求を叶えられると件名でアピールをして、
『このメールは自分にとってメリットがある!』と直感させることが必要です。
では、どうやってメリットを決めればいいのか?
それには、
・自社の採用ターゲットを具体的に決める
・設定したターゲットが抱えている不満・不安・怒り、欲求をリサーチ
→その結果を参考にメリットを決めて、件名に入れる。
というステップを実行します。
1つ目の壁を越えるための手順について
最初にターゲットの選び方について解説をします。
ターゲット選びには3つのポイントがあります。
1つ目は自社の採用基準を具体的に決めること
2つ目は自社の募集を見て、『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる人はどんな特徴を持っているかできるだけ候補をあげること
そして、3つ目は、『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる人材候補の中から、自社の採用基準を満たす人材のみを選択→応募が期待できるターゲットとして設定する
です。
例えば、株式会社A=営業代行会社(個人向け通信回線の電話営業)が、
営業職を給与24万円、完全週休2日(平日)、勤務時間 11:00〜20:30、
賞与年2回、インセンティブ制度あり
という募集の仮ターゲットを設定する場合このようになります。
採用基準(仮)について
・年齢は20代が望ましい(社内がほぼ20代のため)
・性別は問わない
・営業経験は問わない
・コミュニケーションを取ることが得意な人
・稼ぎたい/今よりも収入を上げたい、という考えを持っている人
次に、自社の募集を見て『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる人(仮)についてですが、募集内容、特に求職者が必ず確認をする給与、休日など待遇面を切り口にすると、人材を明確に設定しやすくなります。
待遇面を切り口に例えば、こんな人材が『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる候補になります。
・給与24万円以下で、年収に換算すると年収が336万円以下の人材(24万×14ヶ月)
・休みが週休2日制である人材
・勤務時間が不規則で21:00以降も勤務を日常的に行っている人材
さらに候補の人材がどんな経歴をなどを持っていそうか?を具体化していくと…
上記の特徴に当てはまる人材の1つとして、一般消費者向けに接客・サービス事業を行っている業界の人材と相性がいいと予測ができます。
また、体力が必要な仕事(警備員、工事現場のスタッフ、配達員など)も相性が良さそうです。
このようにまとめることができます。
最後に、候補者の中で自社の採用基準を満たしているか検証をすると…
一般消費者向けに接客・サービス業界の方は待遇面で魅力があると期待をしてくれて、サービス業のため日常的にコミュニケーションを取っており、採用基準を満たしている、と推測することができます。
しかし、体力系のお仕事は待遇面での魅力は期待してもらえそうですが、企業が求めるコミュニケーション力を持っているか、は疑問が残るため採用基準は満たさない、と判断することができます。
このように、採用ターゲットを設定するためには、
・自社の採用基準
・『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる人材の候補
というポイントを両方満たす人材を設定することで、自社の採用と相性いいターゲットを明確にすることができます。そして、ターゲットが具体的なので、メリットのリサーチも進めやすくなります。
次に、ターゲットが抱える不満を解消できる/欲求を叶えられる、相手にとってのメリットを入れることについて解説をします。
最初に、メールの受け手によって価値観が異なるため、『このメリットを入れば間違いない!』というものはありません。
しかし、設定したターゲットが抱える悩み、怒り、不安、願望などをQ&Aサイト(Yahoo知恵袋、OkWave)や『〇〇職 辞めたい』などを利用してリサーチすれば、どんなメリットの提示で興味を持ってくれるかの推測が可能です。
例えば、前出の《一般消費者向けに接客・サービス業界の方》をターゲットにしてリサーチをした場合…
・『拘束時間が長いにも関わらず、給与が安い』
・『仕事量や残業が増えても、給与はそのまま』
・『月に6回しか休みがなく、勤務時間も長いのに給与は安いので割に合わない』
など、勤務時間、休日と給与面のバランスが取れていないことが多く見受けられました。
この結果を参考に設定したターゲットにとって
《いまの職場よりも確実に勤務時間・休日数、給与の改善ができること》が強いメリットになると予測ができます。
次にターゲットをの特徴についてもう一度確認を行い、仮に自社の給与が25万円の場合は、年収が300万円以下の方(25万×12ヶ月)の方を対象とするなど、さらにターゲットの明確化を行います。
最後に上記のさらに明確化したターゲット向けにメリットを入れた件名を例えば…
《給与25万スタート!完全週休2日+残業なし!の〇〇に興味はありませんか?》
と作成することができます。
まとめ
いかがでしたか?
スカウトメールは採用ターゲットを決めて、そのターゲットに合わせた件名・本文を作成するという2つのポイントを守れば、返信率が上がる、と信じてはいけません。
2つのポイントを守りつつ、まずは《メールを開封してもらう》という壁を超えることが必要です。
そのためには…
・自社の採用基準を具体的に決めること
・自社の募集を見て、『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる人はどんな特徴を持っているかできるだけ候補をあげること
・『ぜひ働きたいです!』と言ってくれる人材候補の中から、自社の採用基準を満たす人材のみを選択→応募が期待できるターゲットとして設定すること
を順番に実行することが有効です。
では、次の《メールの内容を読んでもらう》壁を超えるにはどうすればいいのか?
それについては後日解説をします!
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