新卒採用ブランディングで会社が欲しい人材は採用できない?!
新卒採用では、大手新卒ナビ媒体、新卒採用イベントへの参加、人材紹介など
様々な方法で募集を行われる企業が多いかと思います。
近年では内定辞退率が上がっているという現状もあり、
その対策の1つとして、「採用ブランディング」という手法を使い、
自社の企業理念や募集ポジションにマッチしている人材から応募を獲得し、
採用成功率を改善をしたい、という企業も増えてきました。
まず、採用ブランディングとは…
「この企業で働いてみたい」という自社のファンを増やすマーケティング手法です
(引用元:株式会社ネオキャリア|「採用ブランディング」を成功させるために|知っておきたい5つのステップ)
そして、具体的な採用ブランディングの実践方法は、
①どのような人材を求めるかを明確にする
②キーワードを決める
③魅力的な採用ページを設ける
④企業説明会でファンを作るがあります。
(引用元:スマートキャンプ株式会社|採用ブランディングとは | その手法と目的をわかりやすく徹底解説)
また、その手法を導入することで会社は….
・応募者の増加
・広告費などの経費削減
・ミスマッチによる早期退職を防ぐ
・競合他社との差別化
(引用元:スマートキャンプ株式会社|採用ブランディングとは | その手法と目的をわかりやすく徹底解説)
などのメリットがあります。
では、上記の実践方法をそのまま行えば、
自社の採用を成功を導くことはできるのでしょうか?
実は1番最初のステップである、「どのような人材を求めるかを明確にする」
=「ターゲット・ペルソナ設定」を誤ると、
応募が集まらずに、採用活動も前に進まないという事態を招くことになります。
実際に、自社のクライアントは「ターゲット・ペルソナ設定」である誤りをした結果、
応募が集まらずに、採用方針をまた1から作り直しになってしまったケースがあります。
採用ブランディングを邪魔する行動は…
先ほどお伝えしたように、新卒採用でのブランディングを行う上では
複数の工程がありますが、特に最初のステップである、
「どのような人材を求めるかを明確にする」=「ターゲット・ペルソナ設定」
が採用に大きな影響を与えます。
なぜか?
それは、マーケティングで用いられる「マーケットイン」と
「プロダクトアウト」の2つの考え方が大きく関わっています。
※この記事ではマーケティングを
マーケティングとは「誰に対して」「どのような価値を」
「どのような方法で提供するのか」を考えること”
(引用:株式会社 ZUUM-A|マーケティングの定義とは?日米のマーケティングの違いや戦略を分かりやすく解説)
という定義で記事をを進めていきます。
採用から少し話が逸れますが、最初に2つの単語の意味を解説すると…
「プロダクトアウト」とは、
“買い手(顧客)のニーズよりも、「作り手がいいと思うものを作る」
「作ったものを売る」という考え方です
(引用:株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所|マーケティング用語集 プロダクトアウト、マーケットイン)
簡単に言うと、会社がいいと思ったものを提供することです。
次に「マーケットイン」は、
「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という考え方
(引用:株式会社ジェイ・エム・アール生活総合研究所|マーケティング用語集 プロダクトアウト、マーケットイン)
簡単に言うと、消費者が「ほしい」と思っているものを提供することです。
これを採用活動に置き換えると…
消費者=求職者
商品・サービス=募集ポジション
となります。
話を「ターゲット・ペルソナ設定」が与える採用への影響へ戻すと、
採用での「ターゲット・ペルソナ設定」をするときに、
マーケットインを採用するのか、それともプロダクトアウトを選択をするのか?
どちらが採用活動には有効でしょうか?
答えは…
プロダクトアウト=会社の要求をベースに採用/ポジションを募集
→応募数がわずかしか集まらない
マーケットイン=会社の要求と求職者のニーズの両方を満たすバランスの取れた募集
→応募数が多く集まる傾向
と、「マーケットイン」の考え方が採用には有効です。
しかし、上記を読まれて「プロダクトアウト」は、
【会社の要求と合うマッチング率の高い人と会えるからいいのでは?】と思われるかもしれません。
確かに「プロダクトアウト」の考え方をベースにした採用は、
会社にとって魅力的な人材を引き寄せてくれることもあります。
しかし、当然ですが応募数自体は少ないため、選考や内定の辞退があれば、
すぐに採用は振り出しに戻り、結果的には採用計画を後ろ倒しなど、
会社にとってデメリットが大きくなってしまいます。
「マーケットイン」=絞りすぎず、応募者を集める→面接で絞り込む→その中で採用をする、
という方が現実的かつ採用計画として成立をさせやすいです。
企業目線だけの採用はこんなに人気がない…
よって、採用ターゲット選びは「マーケットイン」の考え方を利用した方が有利ということができます。
また、新卒採用ではなく中途採用にはなってしまいますが、
弊社のクライアントで、「プロダクトアウト」の考えが強いターゲット設定
=会社の要求をベースに採用/ポジションを募集をしたことによって、
職種:法人のルート営業
給与:23万円
休日:週休2日(原則 土日)
勤務時間:10:00〜23:00(シフト制 8h勤務)
採用ターゲット:未経験者
と、応募数は16名(そのうちスカウト応募は4名)となってしまい、
スカウトメールの反応率も平均4%のところ約半分と、
転職市場からわかりやすい反応をされました。
また、別の「プロダクトアウト」の考え方をベースにした採用では、
→合計応募=3名
職種:個人営業
給与:25万円
休日:完全週休2日(平日)
勤務時間:11:00〜21:00(8h勤務)
採用ターゲット:未経験者
と、はっきりと市場から悪いリアクションをされています。
このように、採用ブランディングを行うときには、
「ターゲット・ペルソナ設定」には、「マーケットイン」の考え方を入れながらスタートさせることが有効です。
この考え方は、もちろん新卒採用でのブランディングでも、もちろん応用が可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
新卒採用の成功率を改善をする1つの方法として、
「採用ブランディング」の導入を検討される企業が増えています。
具体的な「採用ブランディング」の手順は様々な記事で紹介されており、
最初のステップとして紹介をされている「ターゲット・ペルソナ設定」が、
特に採用成功に大きく関わっています。
「ターゲット・ペルソナ設定」を「プロダクトアウト」
=会社の要求をベースに採用/ポジションを募集を行ってしまうと、
《応募が集まらない》や《面接・内定辞退のため採用が進まない》
→採用計画の後ろ倒しとデメリットにつながってしまいます。
採用ブランディングで「ターゲット・ペルソナ設定」をするときは、
マーケットイン=会社の要求と求職者のニーズの両方を満たすバランスの取れた募集
を意識してスタートをすることが有効な方法の1つです。
ぜひご活用ください。
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