まだ間に合う!採用活動で母集団形成を成功させるには

本気の採用をサポートするヒトコンサルティングです。例年とは違う企業の採用活動。新卒採用も中途採用でも、これまで当たり前にできていた説明会やイベントが開催できずに難航しているところも多いことでしょう。そこで今回は、採用活動を成功させるために、初期段階のアクションとして必要な「母集団形成」についてお話したいと思います。

 

採用における母集団形成の重要性

母集団という言葉。日常ではあまり聞かないですよね。人材業界に身を置いている方や統計学に通じている方ならご存知だと思いますが、採用における母集団とは「自社に応募してくれた応募者の総数」になります。言うまでもなく採用活動は段階を追って人数が絞られてきます。100人の母集団がやがて50人になり30人になり10人になり、最終的に採用になるのは2人…なんて理想的に進むかは別として、とにかく最初の人数は重要ということです。もし母集団が10人や20人だったとしたら、選考自体が成立しなくなってきますから。母集団の質の話は次項でしますが、まずは量が大事ということですね。

 

有効応募を集めるためには母集団形成を戦略的に行おう!

ここでまた新しい言葉を一つ。有効応募とは、応募者の中でも特に企業のニーズとマッチした応募者のことを言います。企業は応募をかける際に応募資格や条件などを記載しますが、「満たしていない部分もあるけれど、まあいいだろう」と応募してくる強者もいます。あるいは応募条件を問わずに「未経験でもOK」などと記載してしまって、幅広い層から応募が来ることもあるでしょう。これらの場合、数こそ集まりますが実際にそこから選考を進めるとなると厳しい選択を迫られます。最初の段階で大多数を落としてしまうことになるので、果たしてこれで母集団形成ができたかと言われたら、いささか疑問が残りますよね。そう、母集団形成とは有効応募を集めることで初めて意味を成すのです。

しかし、有効応募を集めるのは簡単な話ではありません。そこには戦略が必要になってきます。「求人広告を出したら勝手に集まるんでしょ?」と思ったら大間違いですよ。求人広告は基本中の基本ですが、プラスαでいくつかのアクションをしなければその求人は埋もれてしまいます。では、どうすればいいのか…アクションとして最もお勧めしたいのは「スカウトメール」です。

 

スカウトメールで失敗しないために

実際にスカウトメールを使っている企業は多いかと思います。企業が求人媒体と契約する際にはオプションとしてスカウトメール機能をつけることが多く、活用の程度に差はあれど機能としては広く流通しています。

応募を促すメールを媒体ごとの求職者データベースの中からピンポイント選んで送るスカウトメール。大事なのは文言…ではなくターゲットの選定と言っても良いでしょう。(スカウトメールに関しては、実は文言を改良してもあまり反応が変わらなかったというデータがあります。)

例えば送信する求職者を「経験者」にするか「未経験者」にするかで大きく反応が分かれます。なぜならそれぞれが何に心を惹かれ、どこに反応するかが違うからです。それは業種によっても分かれます。例えば営業職や事務職の場合は、お給料や待遇が平均以上になっていないと反応しませんし、クリエイティブ職の場合は会社の実績や将来性などに反応します。ただし職種によって登録者数に開きがあるので、単純に反応の数だけ反応率を判断することはできません。質の良い人材と効率よく巡り会うために、まずは自社のアピールポイントとターゲット選定にミスマッチはないかどうかをきちんと見極めて下さい。

 

母集団形成のメリット、デメリット

戦略的な母集団形成には労力を伴います。そしてこれこそが、メリットでもありデメリットでもあるのです。

メリットとしては、採用計画を今一度精査できることです。先ほども申しあげたように、有効応募によって形成された母集団を持つことは、その後の採用を進めるに当たって大きなアドバンテージになります。ターゲットを絞り、彼らの心を掴むようなスカウトメールを配信し、そして応募に繋げる。そこでは、企業の“伝える力”が問われているのです。自社の魅力、目指す方向、欲しい人材…これらが曖昧では応募者の心が動きません。自社分析からの採用計画、そして母集団形成です。母集団形成をすることは、自社を見直すことでもあるのです。

デメリットとしては、労力と時間がかかることです。戦略的な母集団形成は簡単ではありません。自社の見直しにも通じる奥深い行為なので、本業の片手間にできるようなことではないのです。人事に特化した社員がいない中小企業であってもこの時ばかりは専任の人事担当者を用意し、採用業務に集中できる環境にすることが理想です。人と手間と時間、これらを差し出す覚悟がないと、有効応募は集まらないということですね。

 

説明会やセミナーなどイベント類の効果は?

今回のコラムでは、母集団形成の手法として求人サイトとスカウトメールの併用についてお話ししました。「他にもあるでしょ?」と思いますよね。確かにたくさんあります。例をあげると合同説明会、マッチングイベント、学内セミナーなどでしょうか。コロナ禍でリアルな説明会やイベントができなくなり、今はほとんどがオンラインで行われているかと思います。いずれにしてもヒトコンサルティングの見解としては、質の高い母集団形成という意味において、これらの類にあまり効果を感じていません。量だけを考えると効率的に応募者を集めることができます。しかし、その中に果たして自社のニーズにマッチする人材がどれだけいるのでしょうか。厳しい言い方かもしれませんが「就職したい」と「貴社に就職したい」では全く訳が違います。入社後の定着までを考えると、母集団形成において“本気の応募者”を集めることに注力するべきではないでしょうか。

 

 

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