採用ブランディングのススメのマトメ

本気の採用をサポートするヒトコンサルティングです。このブログで半年にわたってお伝えしてきた「採用ブランディング」。より良い採用を実現するために、そして採用後の定着を確実にするために、採用の成功に直結するノウハウとして私たちの考えをこれまでお伝えしてきました。今回はその全内容をまとめてご紹介します。

 

目次

プロローグ:”人が採れない”悩みを抱えるすべての採用担当者様へ

「昔みたいに人が採れないな」と感じている企業の採用担当者はけっこういるのではないでしょうか。増え続ける採用媒体の数、多様化する選考方法など採用を取り巻く状況は著しく変化しています。そして求職者の描く将来も“大企業に就職する”の一辺倒ではなく、中小企業やベンチャー企業への就職あるいはフリーランスや企業など幅が出てきました。このような中でコンスタントに良質な人材を採ることの難しさは必然と言えるでしょう。

「やはり時代のせいか」と思って諦めていたとしたら、それは甘えです。こんな時代でも採用に成功している企業はたくさんあり、そこにはいくつかの共通点があります。その先の話は次からご紹介していきたいと思います。

第一章:自社のことをトコトン知ろう!

採用できないのは自社の中に原因があった!

採用が難しい時代ですが、それでもコンスタントに良い人材を採れている企業もあります。一体何が違うのか…それは、企業が“自社分析を徹底的にしているのかどうか”の違いとも言えます。

まずは給与、待遇。これら基本的な項目の見直しは必要です。中小企業やベンチャー企業は、良くも悪くも自社の“個性”に絶対的な自信を持っているところが多いですが、ワークライフバランスという概念が定着し、プラベートの充実も人生の大きな目的となった今では、お給料はきっちりもらって定時で帰りたいという人が増えています。どんなに魅力的な事業を展開していようとも、給与や待遇を押さえていないと選ばれない企業になってしまいます。

次に事業内容のアップデート。HPや募集要項に掲載されている文言と実際の業務は合致しているのか確認する必要があります。企業は創業時には筆力全開で熱い文章を作成しまうが、その時のものが何年もそのままになっていないでしょうか。企業理念はともかくとして、事業内容の細かい部分、それから求める職種やその業務内容については随時変わるものです。これらをその都度きちんと更新しないと、募集要項と実際の業務とにズレが生じてしまします。このような事態を避けるためにも情報は随時アップデートしましょう。

最後に企業の外見チェックです!求職者が説明会や面接などで企業を訪問することがありますが、自社がどのように見られているかシミュレートしたことありますか?もしオフィスが散らかっていて、だらしない服装の社員がウロウロしていたら「この会社、大丈夫かな」と思われますよね。選ばれる企業になるためには外見も重要なので、自社分析の際には厳しくジャッジしてみましょう。

 

ここからからすべてが始まる!自社のステータスを徹底的に洗い出す具体的な方法。

自社の「採用がうまくいかない」という問題は、どのフェーズで起こっていることなのでしょうか?自社分析はそれを知るところから始まります。ここではフェーズごとに具体的な分析(見直し)ポイントを紹介しますので、自社が抱えている問題に照らし合わせてお読みになって下さい。

まず、そもそもの応募が集まらない場合は見直すべき項目が明確です。シンプルに「給与」が同業他社と比べて同じくらい、あるいはそれ以上になっているのか見直してみて下さい。正直、今の時代はどんなに理念や社風が良くても「給与」を押さえていないと応募先として選択肢にも入れてもらえません。そして次に「勤務時間」「休暇・休日」が無理のないものなのかどうかも見直しポイントです。昼夜問わずバリバリ働くぞ!と意気揚々としている人はもはやほとんどいないという現実を知ってください。

次に面接が成立しない場合。企業は応募者と面接の日取りを決めるわけですが面接辞退されることもあります。応募者が辞退するというのは、書類選考→面接日時の設定という短いプロセスの中で「面接を受けたくない」と思う要素があったからです。例えば面接の日時を決めるにあたって一方的に企業都合で決めませんでしたか? あるいはやりとりの中に高圧的な言い方や態度がありませんでしたか?企業と求職者はどちらが上ということもありません。企業側が「会ってやろう」ではなく「この人に会って見たい!」というような態度で接すると、応募者は喜んで面接に足を運ぶと思います。

最後に面接後に内定辞退される場合についてお話します。書類選考→面接とプロセスを踏み、最終的に企業は採用か否かを決めるわけですが、採用決定者に対して内定のお知らせ後に応募者から内定辞退をいただくこともあります。面接まで行ったのに辞退されるということは、面接そのものに問題があったとしか考えられません。それは面接官です。面接という限られた時間の中で応募者の心をグッと掴むことができなければお断りされてしまいます。熱く企業の理念を語るだけではなく、そして理想論を並べ立てるのではなく、地に足のついた現実的なビジョンを伝えると応募者の心は動かされると思います。

 

自社の断捨離!魅力のない項目は捨ててしまおう。捨てる基準を作ってみよう。

 会社、整っていますか?どういういうことかというと、会社としてやっていること/言っていることに整合性があり、誰の目から見てもわかりやすい明確な方向性がありますか?ということです。求職者が会社を見る目は意外とシビアなので「何がやりたいのかよくわからない会社だな」と思われないように、採用活動を機に会社も整えてみてはいかがでしょうか。

まずネット上の自社情報を洗い出し、不要なものは削除します。古いものや悪質ものなどは一掃し、今語るべきこと/伝えたいことだけを残して、不要なものは削除することをおすすめします。そして、残すものの中にもプライオリティをつけましょう。会社として際立たせたい要素や求職者に一番見て欲しい項目を洗い出し、そこを際立たせる作業をします。平たく言うとアピールポイントを見つける作業ですね。

事業内容を整理したり、現実味のないビジョンを軌道修正したりすることで視野が広がり、会社として実現したいことの焦点がはっきりとしてきます。会社にとって残すべき項目とは、それがすなわち会社としての個性であり求職者にとって魅力的に映る部分なのかもしれません。自社の断捨離をして、自社の再発見をしましょう。

第二章:自社の魅力を言語化してみよう!

魅力を言語化するための場をデザインする

採用シーンで重要なのは、求職者を惹きつける“言葉”を巧みに使うことです。応募要項の文言、メールで交わされる文章、面接時のやり取り…実に多くの言葉が採用シーンで飛び交いますが、求職者は応募のプロセスの中で数々の言葉に触れ、惹きつけられ「この会社面白そうだな」となり行動を次へ進めます。採用シーンでは企業が発する言葉の一つ一つにチャンスが潜んでいるということなのです。

 自社の魅力を言語化と言っても、誰が、どのように、どんな環境でやるのかによって出るものも変わってきますよね。まず“誰の言葉”で言語化するのかという問題がありますが、社長や役員だけではなく、そこで働く社員の声を取り入れるのはどうでしょうか。社員は誰も知らない魅力を自分で発見しているかもしれません。魅力を切り取る断面は多いほど良いのです。社員目線で切り取った魅力をきちんと取り上げ、多声的に言語化していくことで、会社を語る語彙がいっそう豊かになることでしょう。

 そして具体的にどうやって社員の意見を拾うのか。日常会話の中でさりげなく聞いてみるのもありですし、話し合いの場を設けてもいいかもしれません。しかしどんなやり方にしても、社員が安心安全に本音を語れる場を用意しなくてはいけません。例えば「出された意見は、評価に関係しない」などの前提を設けて、心置きなく本音を言い合えるようにして、魅力を発掘してきましょう。

 

話し合いの場で注意したいこと、心がけたいこと

自社の魅力について社内で話し合う際の注意点をいくつかお伝えします。まずは条件を絞ることです。「自社の魅力をみんなで語ろう!」というお題は、あまりにも範囲が広すぎて何から話して良いのやらと少々困惑してしまうので、魅力を語るにあたり「理念について」「将来の展望について」など条件を決めて話し合うと意見が活性化しやすくなると思います。

また、タイムリミットを決めて話し合うことも大事です。社員を巻き込んで魅力を言語化するという作業は、それが行き過ぎると社員の負担になってしまいます。話し合いは時間をかければいいというものでもないので、日頃感じていることや思っていることを出し合うのは限られた時間内でも十分なのです。

ファシリテートの問題もあります。安心安全な場では意見が言いやすくなることは確かですが、それにより尖った意見や突拍子もない意見が出にくくなる可能性もあります。そこで注意したいこととしては、参加者全員の意見がちょうど良いところで均されてしまうようなファシリテートをしないこと。フラットな話し合いの場とは、みんなの平均を出すことではないのです。一人一人の熱が話し合いの場で化学反応を起こし、予想もしなかったくらいに最大化されたら成功と言えるのではないでしょうか。

 

「想い」を文章にする。本当に“刺さる”言葉とは?

採用シーンで使う言葉は、語彙や言い回しなどを純粋に精査すればいいというものではなく、企業と求職者の共通認識や共通言語を探り、違和感や引っかかりのないものにしなければなりません。企業側が無意識に選んで使用した言葉でも、読む人によっては唐突すぎたり理解しにくかったりすることがあります。語彙でハードルを高くすることに意味はないので、スタイリッシュな文言で固めるよりも柔いかい言葉で求職者に歩み寄った方が好印象を与えます。

 また社長が起業するまでのストーリーや起業してからの苦労話をさらけ出すことも方法の一つです。社長のリアルな話は求職者が応募をするかどうかを見極める要素でもあり、特に失敗や挫折にまつわる話はその後どうやって乗り越えて今に至るかという話に繋がるので求職者が注目するところでもあります。その時々の迷いや葛藤を、荒削りな言葉でもいいので伝えてみて下さい。

 最後に、自社の魅力を言語化する作業では、最後にはやはり熱い部分が残ると思います。社長であれば実現したい夢や使命と感じていること、それから社員への期待や愛情。社員であれば、毎日の気付きや先輩からの薫陶、目標、達成したいことなどがあるかと思います。ここがストレートに求職者に伝わると、彼らもまたその会社のファンになるかもしれません。

第三章:自社の強みとは?弱みとは?求職者目線で考えてみよう

欲しい人材像を明確にしよう

採用計画は事業計画と表裏一体です。企業としては長期的な事業計画を踏まえて、どのようなタイミングでどんな人材を入れるのか大まかなイメージを立てておく必要があります。会社として実現したい夢を共有でき且つ会社に貢献できる何かをきちんと持ち合わせている人材を妥協なく見つけていくのが理想的な採用活動です。会社が3年後、5年後、どうなっていたいかイメージしてみて下さい。そしてそれを実現するためには、どんな人材が必要なのか逆算してみて下さい。

長期的な事業計画、採用計画ができたところで、いよいよ欲しい人材を明確化していきます。同じ色を入れて調和を保つのか、あるいはあえて毛色の違った要素を入れて企業に変革を起こしたいのか。経営者ごとに判断が違ってくる部分だと思いますが、いずれにしても根拠がはっきりしていれば良いと思います。ただこれだけは避けたいのは、判断に迷った時に希望的観測で「取りあえず入れてみようか」と感覚的に人を採ってしまうこと。特に「説明できないけれど、なんか違和感がある」という場合は要注意した方が良さそうです。

 

採用で競合する他社はどこなのか?

欲しい人材が明確化されたら、次はその欲しい人材が興味を持つような会社にならなくてはなりません。数多ある同業他社に埋れないように差別化していくということです。

同業他社との比較で自社を考えてみましょう。給与や対偶、クライアントの傾向なども似ているとします。だとしたら一体どこで差をつければよいのでしょうか。いくつか考えられますが、入社後のステップアップの道筋がきちんと用意されているかどうかというのはあるかと思います。他に同じ職種でも業務範囲などは会社ごとに違うので差をつけやすい部分でしょう。それから社内で完結する業務なのか、あるいは社外とのやりとりもあるのかという部分も求職者にとっては重要な部分かもしれません。求職者は意外なところを気にするので、そこが何なのかをきちんと知ってから差別化していきましょう。

 

求職者目線で魅力的な部分とは?

求職者から見て魅力的な部分とは、自分が参加することによって変わる/変えられる部分ではないでしょうか?いくら業績が良くても凝り固まった制度や年功序列に縛られているような会社は魅力的とは言えません。革新的であればいいという訳ではありませんが、会社としての柔軟性や可変性などが問われることになります。

 まず会社としての伸びしろです。今をときめくあのITベンチャーも、昔は数人の小さな会社だったというストーリーはよく聞きます。会社を信じて苦楽を共にしてきたメンバーがやがて役員になり、今では数百人を束ねているというのは珍しいことではありません。中小企業に就職することでこのようなストーリーの登場人物になることは可能なのです。「やりがい」と「日々の充実」、この2つは入社後の定着に必要な要素ではないでしょうか。

次にお給料の話です。「お給料は高ければ高いほどいい」というわけではなく、厳密にいうと労働に見合った対価がきちんと支払われれば良いということです。しかし、この当たり前が実行されていない会社は多々あります。明らかに仕事のクオリティが上がっているのに、そして売り上げも伸びているのに一向にお給料が変わらないのでは、社員はやる気をなくしてしまいます。お給料は今も昔も社員が入社後に気にするところだと心に留めて置いて下さい。

 最後になりますが人間力のお話をします。「社長やスタッフの人柄が良かったから入社を決めた」という話はよく聞きます。人間力は一日二日でどうにかなるものではありせんが、一度求職者目線になって「この会社の人間の魅力ってなんだろう」と内側に厳しい評価の目を向けてみることも必要なのではないでしょうか。

第四章:いざ、行動に移そう!本気の採用をかけてみよう

中途?新卒?それとも両方?

 企業が新卒か中途のどちらを求めているかによって、その企業のメンタリティーを垣間見ることができます。中途採用を行なっている企業は、おそらく欠員補充として穴埋めか事業拡大に伴う即戦力を求めている場合が多いでしょう。人を育てる時間などないくらいに業務で手一杯な状態であることも考えられます。一方、新卒採用を行なっている企業は、今まさに成長期あるいは変革期を迎えていて、新しい風を入れることによって動きを加速させたい、良い波に乗りたいという期待を抱いて新卒の採用をします。いわば、新卒には起爆剤的な存在になってほしいということですね。

 そもそもの採用意図が違えば、期待値も違ってくるものです。中途の場合は即戦力としての期待があるので、人間性よりもスキルが重要になってきます。一方、新卒採用者に対してはこれから自社で多くを学んで大きく成長してくれるという期待です。最初のうちは即戦力にならなくても、いずれ会社にとってなくてはならない重要な存在に育ってくれると期待を抱くわけです。期待という意味ではどちらにもかけられていますが、その内容の違いといったところですね。

キラキラした目の新卒が会社にいることは、適度な緊張感と“見られている”という意識を余儀無くされるということです。これは企業にとって良いことです。今まで自分たちが漠然とやっていたことが評価の目に晒され率直な意見をもらうことは、その価値や意義などを改めて見直すきっかけとなるはずです。自社の中に厳しい批評家を入れるということも新卒を採る価値といえるでしょう。

 

ところでリファラル採用も考えてみませんか?

自社の魅力をそれぞれが把握し、自分の言葉で語れるようになったということは、誰もが求人媒体でもあり、また自社を売り込む営業社員にもなり得るということです。そこで、全社員を挙げて積極的に「リファラル採用」を行ってみてはいかがでしょうか。

 リファラル採用を行うにはプロセスの見える化が大事です。リファラルで採用される人が「誰の知り合いなのか?」「何者なのか?」「何ができるのか?」そして「何で採用になったのか?」、これらがブラックボックスになっていては、入社してからの人間関係の構築に影響を及ぼします。リファラル採用で大事なのは、紹介する友人や知人の情報を可能な限り共有することです。そしてその情報というのは個人的なものや主観的なことではなく、その人の「実績」や「スキル」に関することです。これらは入社後のマネジメントにも役立ちます。

リファラル採用にはたくさんのメリットがあります。まず、人となりを良く知った人が紹介されるため、ある程度は信頼できる人ということになります。そして社員の数が少ない中小企業であれば新しく社員を迎え入れる上で「相性」というものが重要になってきますが、社員の紹介であれば相性もクリアーできます。そして何よりもコストカットになります。リファラル採用は求人媒体を使わないので、いわば採用コストはゼロです。

 このようにメリットの多いリファラル採用ですが、そこだけを頼りに採用活動をするのはあまりにもリスクが高すぎます。リファラル採用は社員の持っている人脈やネットワークにかかっているので、そこが希薄であれば成立しない話です。過度な期待をせずに、オーソドックスに求人媒体の利用を継続しつつ、リファラル採用も並行して進めるのが良いかも知れません。採用の手法も複合的に組み立てるのが今の時代に合っていると言えるでしょう。

 

媒体は運用しないと意味がない!媒体選びより大切なこと

募集要項の大枠が決まったら求人媒体選びへと進みますが、媒体は一定の条件を満たしていればどこを選んでも大差ありません。その条件とは「運用部分の使い勝手のよさ」です。

 一例としてスカウトメール機能に代表されるような運用部分があります。スカウトメールのイメージとしては、いかにも宛名だけを変えて出しましたと言わんばかりの決まりきった文言による形式的なメールでしょうか。受け取る側としても本気度が感じられずにそのままスルーしてしまうことも多いのが事実です。だからこそ、ここで差別化を図ります。一人一人の文言にどこか少しでも変化をつけて「あなたに向けて書いていますよ」という空気感が相手に伝われば良いのです。良い人材であれば複数の企業からスカウトメールをもらっているかもしれないので、その中から頭一つ抜けるには文章で心を掴むしかないということですね。まめにスカウトメールを送り運用部分を最大限に活用することで、採用の成功に一歩近づけるのではないでしょうか。

第五章:人が辞めない仕組みを考えよう、それから人を採ろう 

採用の成功はゴールではない。定着までの険しい道のり  

 これまでは“人を採るまで”の話でしたが、今回は“人を採ってから”の話です。採用の成功を“定着”と捉えると、採用ブランディングにもまだまだ続きがあるようです。

めでたく採用に成功したとします。その後その人はどうなりましたか?もし新しく採用した人が、あるいはこれまでに採用してきた人が長く続かないようであれば、原因をきちんと探る必要がありそうです。

辞めてしまった社員の本音を聞くことはできません。そこで、原因を探るにあたっては思い切ってそのプロセスをオープンにして、社員の全面的な協力を得ることをおすすめします。「何で彼はやめてしまったんだと思う?」と辞めてしまった社員の本音を周辺から探ると共に、「日頃不満に感じていることはある?」と今いる社員の本音も探ってしまいましょう。

いきなり核心を突いた話になりますが、社員が定着しない原因のひとつとして評価制度があるかと思います。近年の若年層の離職理由は多様化していますが、優秀な人材の離職理由として目立つのは「自分が正しく評価されていない」「キャリアステップがみえない」というように、能力と評価の乖離が原因としてあります。やる気も実力もあるのに、会社がそれを生かし切れていないようであれば、せっかく採った人材が辞めてしまうどころか既存の社員も流出してしまうかもしれませんよね。そうならないためにも、評価制度の改善は必須と言えるでしょう。

 

既存の社員を最大限に生かす。チームビルディングで組織力を強化!

 採用活動に着手する前に考えてみて下さい。今いる社員の一人一人がきちんと力を発揮していますか?それぞれが最適な場所に身を置き、能力が正しく引き出せれていますか?新しい人を採る前に社員のポテンシャルに今一度目を向け、それを最大限に生かす仕組みをつくることが先決なような気がします。

既存の社員の能力を知ることはできるので、それを生かす仕組みを考えればいいのです。ポジションの見直し、明確な基準に沿った評価制度、それに付随した給料体系、まずはこれらを整えて下さい。次に社内の人間関係に目を向けて下さい。社内の人間関係が気持ちの良いものでなければ、仕組みは上手く機能しません。お互いが認め合い、やる気が引き出され、毎日ポジティブに過ごせるような雰囲気作りは大事です。社員同士が応援し合えるような文化を醸成するということも会社のミッションとして常に意識してみてください。

そして一人一人の能力が最大化されていたとしても、それぞれが勝手にプレーしていてはチームとして理想的とは言えません。そこで、個の能力が最大化された次のアクションとしてチームビルディングをやっていきましょう。社員同士が有機的に繋がり、刺激し合い、のびのびと意見を言い合えるようなチームになってから、あらためて「新しく人を採る必要があるのかどうか」を考えてみてはいかがでしょうか。

 

自社が最大化されたところで、あらためて採用活動

「新しく人を採る前に既存の社員に目を向けよう!」という話を前回はしました。しかし、そこで終わってしまっては、何のために今まで採用ブランディングを考えてきたのかわかりません。私たちは「それでもやはり人を採ろう!」と言いたいのです。新卒にしても中途にしても、新しい要素が会社に加わることによってもたらされる恩恵は計り知れません。

会社として受け入れ体制が十分に整っていたら、是非新しい人を採ってみましょう。新しい刺激が加わることによって、さらに社内は活性化され、生産性も上がるかもしれません。今までベストだと思っていたやり方/考え方が更新され、選択の自由が広がります。そして、新しい人が入るということは、厳しい評価の目が新たに加わるということでもあります。常に見られているということを意識し、会社と自らをアップデートさせ続けなければなりません。新しく手に入れた視点は自分たちにも向けられます。この緊張感がさらに会社を成長させるのです。

何はともあれ「足元を固めてからの採用」という順序だけは守っていただきたいところです。それが人を迎え入れる側としての礼儀であり、また相手に対する思いやりでもあります。人を採るには準備も覚悟も必要です。まずは自社が人を受け入れる体制かどうかを今一度考えてみて下さい。採用ブランディングは、そこから始まるのですから。

エピローグ:結局、採用ブランディングとは?

ブランディングと聞くと外側に向けて印象を良くしていくようなイメージがありますよね。

会社を語る文言を整え、明るくフレンドリーなビジュアルを掲載し、おしゃれでカッコイイ会社のように見せる…しかし、ここまでお読みになった方はうっすら気付いているはずです。ブランディングとは外側に向けたものではなく、実は内側に向けたものなのではないかな、と。

採用ブランディングとは、社内に目を向け、そこを最大限に活性化するところから始まるものです。そして十分に内側が盛り上がり、それぞれが生き生きと仕事をしていたら、その様子はじんわりと外側にあふれ出るものです。それを見た求職者が「何だかみんな楽しそうだな」「素敵な会社だな」と思えば、自然と会社の門戸を叩くはずです。

何もしていないのに求職者が寄ってくる…このような状態を作り出すことができれば採用ブランディングは大成功と言えるのではないでしょうか。

 

採用ブランディングのススメ

プロローグ:”人が採れない”悩みを抱えるすべての採用担当者様へ

第一章:自社のことをトコトン知ろう!

採用できないのは自社の中に原因があった!

ここからからすべてが始まる!自社のステータスを徹底的に洗い出す具体的な方法。

自社の断捨離!魅力のない項目は捨ててしまおう。捨てる基準を作ってみよう。

第二章:自社の魅力を言語化してみよう!

魅力を言語化するための場をデザインする

話し合いの場で注意したいこと、心がけたいこと

「想い」を文章にする。本当に“刺さる”言葉とは?

第三章:自社の強みとは?弱みとは?求職者目線で考えてみよう

欲しい人材像を明確にしよう

採用で競合する他社はどこなのか?

求職者目線で魅力的な部分とは?

第四章:いざ、行動に移そう!本気の採用をかけてみよう

中途?新卒?それとも両方?

ところでリファラル採用も考えてみませんか?

媒体は運用しないと意味がない!媒体選びより大切なこと

第五章:人が辞めない仕組みを考えよう、それから人を採ろう

採用の成功はゴールではない。定着までの険しい道のり  

既存の社員を最大限に生かす。チームビルディングで組織力を強化!

自社が最大化されたところで、あらためて採用活動

エピローグ:結局、採用ブランディングとは?

 

 

 

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