第五章:①採用の成功はゴールではない!定着までの険しい道のり
採用ブランディングの話もいよいよ最終章です。これまでは“人を採るまで”の話でしたが、今回は“人を採ってから”の話です。「採用に成功した!」これが果たしてゴールなのでしょうか?その人は3か月後、1年後、さらに言うと3年後にどうなっていますか?社内で活躍しているどころか、もしかしたら離職しているなんてこともあるかもしれません。採用の成功を定着と捉えると、採用ブランディングにもまだまだ続きがあるようです。
めでたく入社。その後その人はどうなりましたか?
新しい人がめでたく入ったとします。採用ブランディングのプロセスに忠実に、会社をあげての渾身の採用を行ったとしても、その人が長く続くかどうかはまた別の話です。せっかく入った人が数カ月で離職してしまったなんて経験はありませんか?さらにいうと、これまで「人は入るけれど、一向に定着しない!」という問題を抱えていませんでしたか?採用の成功は定着までが一区切りです。もし新しく採用した人が、あるいはこれまでに採用してきた人が長く続かないようであれば、原因をきちんと探る必要がありそうです。
原因追求をきちんとやっていますか?社員の本音を拾おう
辞めてしまった社員の本音を聞くことはできません。辞めた後に原因を探るにしても、もうその人はいないので推測の域を出ないものです。そこで、原因を探るにあたっては思い切ってそのプロセスをオープンにして、社員の全面的な協力を得ることをおすすめします。「何で彼はやめてしまったんだと思う?」「何か聞いてなかった?」などと周辺から辞めてしまった社員の本音を探ると共に、「日頃不満に感じていることはある?」「楽しく仕事できてる?」と、今いる社員の本音も探ってしまいましょう。もし仮に「人が定着しない」というネガティブな傾向が続いていたとしたら、そこに何らかの共通する原因があるかもしれません。縁起でもないですが、人が辞めたら既存の社員からフィードバックをもらうという一連の流れを続けるべきです。統計的にわかることもあるので、根気強く原因を掘り下げて行きましょう。
変えるべきは仕組み。優秀な社員ほど評価を気にする
社員が定着しない原因は会社によってそれぞれ違うと思います。もし原因が「給与が低い」「福利厚生が整っていない」などだったとしても、それはまだ本当の原因を知ったことにはなりません。それらは原因の表層的な部分であって、抜本的な部分、つまり原因の“構造”にまでアプローチしていないのです。
いきなり核心を突いた話になりますが、構造の部分に直結する原因として評価制度があります。近年の若年層の離職理由は多様化していますが、優秀な人材の離職理由として目立つのは「自分が正しく評価されていない」「キャリアステップがみえない」というように、能力と評価の乖離が原因としてあります。やる気も実力もあるのに、会社がそれを生かし切れてないということです。これでは、せっかく採った人材が辞めてしまうどころか、既存の社員も流出してしまうかもしれませんよね。
変えるも変えないも一方的はNG。改善までも共同作業と考えよう
評価制度を整える、キャリアステップを明確にする、どちらも大事ですよね。しかし、これらをきちんとさせれば定着率が上がるかというと、そこまで簡単な話ではないのです。会社規模にもよると思いますが、会社の構造的な部分はある日突然一方的に変えるものではありません。原因を探るプロセスを共有したのであれば、その先の改善も共にやるべきです。社員目線で「いつまでもここで働きたい!」と思える会社を、共同作業としてつくっていきましょう。
採用ブランディングのススメ
プロローグ:”人が採れない”悩みを抱えるすべての採用担当者様へ
第一章:自社のことをトコトン知ろう!
②ここからからすべてが始まる!自社のステータスを徹底的に洗い出す具体的な方法。
③自社の断捨離!魅力のない項目は捨ててしまおう。捨てる基準を作ってみよう。
第二章:自社の魅力を言語化してみよう!
第三章:自社の強みとは?弱みとは?求職者目線で考えてみよう
第四章:いざ、行動に移そう!本気の採用をかけてみよう
第五章:人が辞めない仕組みを考えよう、それから人を採ろう
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